お礼及び車椅子旅行でのご報告!

車椅子での個人旅行ですが、日本語でのバリアフリー情報がほとんどありませんでしたので、ベネチア・ローマ・ポンペイのみですが今後少しでもお役にたてればと思い、ご報告します!
※ 当方の情報として、歩行は困難、一般的な大きさの車椅子に簡易電動ユニット搭載での旅行です。
長い文章で申し訳ございません。
健常者の方はスルーして頂ければと思います。

PS. Scibatiniさん、無事行ってまいりました~(*^▽゜)

≪各都市共通≫
【ホテル】
バリアフリー対応ホテルであってもエレベーターがあまりにも小さくて車椅子が入らない、バリアフリーの風呂椅子が壊れて使えないホテルがありました。(3つ星ホテルです)
施設が古い場合があるので車椅子対応ホテルであっても事前にエレベーターサイズやその他設備の確認することをオススメします。

【トイレ】
ほぼ全ての場所でトイレは有料ですが、その有料の場所でさえ車椅子対応はほとんどありません。
大きな観光施設では、たまに車椅子トイレが設けられている場合がありますので、用を足したくなくても見つけたら行くことをオススメします。
一般の人はバーなどで小さな買い物をしてトイレを利用させてもらうようですが、一般的にバーに車椅子対応はないようです。

【観光施設】
車椅子は無料が多かったです。全ての場所で列に並ばず優先入場させてくれました。

≪ベネチア≫
【空港→ホテル(メストレ地区)】
今回対岸のメストレ地区に宿泊しました。
公共バスの15番がメストレ地区行です。車椅子対応でした。ただ、到着時は20時を過ぎてしまっており、終バスが20時過ぎでしたので乗れませんでした。
到着ロビーにタクシーの受付がありますので、そこの担当者が車椅子用のスロープ車を無線手配、15分ほどで乗れました。追加料金等はなく車体側面に記載されている料金と同じでした。(チップを多めに渡しました)
ちなみにシャトルバスは格安ですが、日本の観光バスのように高さのあるバスですので乗れないと思います。

【メストレ地区→ベネチア本島】
今回のホテル(Hotel Centrale)のすぐ側から7番バスが車椅子対応でベネチア行です。
その他メストレ駅前からは車椅子対応でベネチア本島に行く複数の路線があるようでした。
多くの路線バスがメストレ地区を走っていましたが、8割位は車椅子対応だったように感じました。
※ 電車:ローカル電車は数段の階段がある場合が多いとの事前情報から乗りませんでした。遠目から見た感じも車椅子での乗降は難しそうな感じがしました。

【ベネチア本島】
●ヴァポレット
車椅子は1回1ユーロで乗れますので1日券等よりお買い得です。
複数枚をまとめて購入しておくと便利です。
車椅子対応になっており、スタッフも手伝ってくれます。ただ、潮の満干・船体によって最大30センチ程度の段差が発生することもありました。
離島に行く船は比較的小さく、大きな段差が発生することが多いように感じました。

● サンマルコ寺院
ヴァポレットでS.MarcoとS.Zaccaria両方の乗降場から同じ位の距離です。
ただ、S.Zaccariaで降りた場合、サンマルコ寺院までに大きな橋が2つあり、手前の1つはスロープがついていませんのでS.Marcoで降りた方がいいと思います。S,Marcoも降りてすぐ右側に橋がありますが、そちらには行かずに、降りてほんの少し左に行ったところに路地がありますので、その路地を行けば橋を通らずにサンマルコ広場に行くことができます。
(ローマ広場、リド島など、どの方面から来たかによっても船が停泊する場所が異なるようです。例:同じS.Marco乗り場でも、橋の手前と奥と二か所停泊場があり、どちらに停泊するのかはその場にならないと分かりませんでしたので、場合によっては上記情報は役にたたないかも・・・です)
寺院は、入場する為の長い行列ができていますが、スタッフに申し出れば土産物屋の奥のスロープから待ち時間無しで入場させてくれます。土産物屋の手前に10センチ程度の段差がありました。

●ドゥカーレ宮殿
車椅子OK、車椅子対応のトイレもあります。ただ、小さな段差は複数あります。
階段前にいるスタッフに申し出れば、カフェ奥のエレベーターを利用できます。
※ 残念ながら、地下牢は階段が多く狭いため、車椅子は不可です。
※ 土産物屋は階段途中なので行けません。

● ゴンドラ
連れが背負って乗り込むとしても、乗り場とゴンドラの段差がすごいです。見ただけで無理と判断し、チャレンジしませんでした。

● 本島内その他
島内散策をしたかったのですが、あちこちに小さな橋があります。もちろんスロープはありません。車椅子ごと抱えて、あるいは本人を背負って車椅子を別の人が抱えて、と何回かチャレンジして橋を通りました。そのたびに多くの人が寄ってきてくれ助けてくれます。ただ、目の前の橋を超えてもしばらく歩くとすぐにまた次の橋がでてきます(-_-;)
あちこちに小さな橋があるので、長距離散策は難しいです。

【リド島】
ヴァポレット乗り場から真っ直ぐ進み海岸まで行きました。その間車椅子全く問題ナシです。海水浴場もスロープがついていて砂浜の途中まで車椅子で行くことができます。

【ムラーノ島】
ヴァポレットの降りる場所に注意してください。1か所ではありません。所々大きな橋がありますので行きたい場所に一番近い乗降場を確認しておいた方がいいと思います。
ガラス博物館に行くのであれば、Murano Museo で降りれば橋を越えずに行くことができます。
ただ、ガラス博物館は車椅子トイレはありますが、博物館自体は2階にあるため鑑賞することができません。(スロープ、またリフトがあるようでしたが何故か使えないと言われました)
小さな中庭のみの鑑賞です。

≪ローマ≫
● 町中は石畳だらけです。歩道もガタガタで段差がたくさんあります。前輪がしっかりした車椅子をオススメします。

【フィミチーノ空港→市内(テルミニ駅)】
レオナルドエクスプレスを利用しました。所要時間30分程度です。

※テルミニ駅にはSala blue というアシスタントサービスがあります。テルミニ駅発着の電車を利用したい場合には、事前にメールで利用したい日時を連絡してサービスの予約をします。(email:SalaBlu.ROMA@rfi.it)
www.rfi.it/cms/v/index.jsp?vgnextoid=991…

※到着時にはアシスタントサービスは利用しませんでした。
古い車体だったからか、入口を二分割するように真ん中に手すりのようなバーが設けられています。当方の車椅子は普通サイズでなんとかギリギリ(少し車体をこすりながら)は入れました。フィウミチーノ空港は段差なく乗り込めますが、テルミニ駅ではホームとの段差が50センチ程度ありました。アシスタントサービスを申し込んでいませんでしたが、周りの方が手伝ってくれました。

※ 帰りはアシスタントサービスを利用しました。
新しい車体だったようです。車椅子が乗り込めるドアには車椅子マークがついていてホームと電車との段差もほぼありませんでしたが、スタッフがスロープを用意してくれて乗り込みました。

【地下鉄】
駅に掲示されている路線図にエレベーター・エスカレーター設置の表示があります。
A線は複数の駅にエレベーター、エスカレーターが設置されています。
B線は駅に掲示されている路線図には全駅がバリアフリーとの記載がありましたが、乗っていませんので定かではありません。
ただ、要注意なのが、エレベーター・エスカレーターマークの表示があっても故障中で使えない場合が非常に多いです。
表示を絶対的に信用するのは危険ですので、事前にスタッフに確認した方がいいと思います。
テルミニ駅はA線B線共に国鉄からエレベーターを乗り継いで問題なくホームまで行くことができます。
電車とホームの段差もなく、またドアの真ん中に鉄のバーもありません。そのまま乗り込めます。エレベーターさえあれば、本数も多く非常に使い勝手はいいと思います。
巷でいわれているような治安の悪さや怖さは感じませんでしたが、警備の人からはスリ防止の為、電車の前方か後方に乗る事、ポケットの中は膨らまさずに財布等の貴重品に注意するようにという声掛けがありました。

【バス】
公共バスはたくさん走っていますが、ベネチアよりも車椅子対応が少ないです。
半数位しか車椅子対応ではなかったような感じがしました。
非対応車の乗車口は入口を二分するように真ん中に鉄の棒が設けられています。普段は30cm位の段差でも力任せでOK!という方もなかなか厳しいかと思います。
鉄の棒さえなければ・・・と何度思った事か(*´Д`)

【市内観光バス】
110オープンバスを利用しました。
(車椅子席は1階の降車口の目の前です。通常は前から乗りますが、車椅子の場合にはスタッフに申し出てスロープを出してもらわないと乗れません)
こちらのサイトでは13か所の停留所が紹介されていますが、2014年8月現在、停留所は7か所に減っています。各停留所がとても離れていますので、行けない有名観光地が多いです。
また、車椅子席のイヤホンが壊れていることが多いです。
運行の調整もしていないようで、15分毎との記載がありますが、45分程度待たされて4台続けて来るということもあり、利用価値はかなり低いと感じました。
ちなみに日本語での紹介サイトはあまりないのですが、city sight seeing HOP ON HOP OFF も車椅子対応、コンスタントにバスが来ていて停留所も110バスよりも多かったです。
その他似たような市内観光バスが多数ありましたが、ほとんどが車椅子対応です。110オープンバスはWEB事前購入でリーズナブルにチケットが手に入りますが、早まらずに現地で停留所や運行時間を確認してからの方がいいと思います。

【ローマ市内】
● コロッセオ
車椅子はスタッフの指示に従って入るので長蛇の列は並びません。障害者は無料。中はスロープやエレベーターがあります。車椅子用トイレがありますが、女子トイレの長蛇の列の奥、見えにくい場所にあるので、男性の場合には少し入りにくいかもしれません。

● トレヴィの泉
2014.8月現在修復中の為、泉の中に歩行者用スロープが設置されています。車椅子通行可能です。

● スペイン広場
階段にスロープはありませんので下からのみの見学です。

● 真実の口(サンタ・マリア・イン・コスメディン教会)
長蛇の列があり、一般の入口には20センチ程度の段差がありますが、スタッフが誘導してくれて、真実の口の像の真横の鉄格子の扉から入場、優先で写真撮影させてくれます。中の教会も入れますが、出る時は再度真実の口の横の鉄格子の扉から出ます。

● サンタ・マリア・マジョーレ教会
スロープがあり中は問題なく見学できます。土産物屋の奥にトイレがありますが車椅子用はありません。

● サンタ・マリア・デリアンジェリ教会
段差ありません。問題なく見学できます。

● ヴィットリオエマニュエーレⅡ世記念堂
階段にスロープはありません。下からの見学のみ。

● カンピドリオ広場
階段にスロープはありません。

● パンテオン
小さな段差ありますが問題なく入れます。

●サンピエトロ寺院
スタッフの指示に従って進みます。手荷物預ける場所近くにエレベーターがあります。
中はスロープがあり問題なく見学できます。

● ヴァチカン博物館
並ばずに優先的に入れます。車椅子は無料になります。
礼拝堂ではスタッフが誘導してくれますので混雑していても前の方まで行くことができます。ただ、閉館時間に近い方が人が減るので自力で移動することができます。混雑真っ最中の時間帯は、少しの距離でも車椅子での自力移動はかなり難しいと思います。
なお、手荷物検査を終えて目の前に車椅子トイレの表示がありますが入館時間が過ぎると入口は閉鎖されてしまうので、車椅子トイレも利用させてもらえません。
入館してすぐに利用した方がいいと思います。

≪ポンペイ≫
●(国鉄)Termini駅→Napoli Centrale 駅→(チルクムヴェスビアーナ鉄道)NAPOLI駅→Pompei Scavi Villa Misteri駅下車

○ 移動 ○
テルミニ~ナポリ中央駅までは先に記述しましたSala blue (email:SalaBlu.ROMA@rfi.it)に事前予約でアシストしてもらいました。(FRECCIAROSSAで1時間10分程度)
電車入口は複数段の階段がありますのでアシストがないと難しいと思います。
Salablueでの車いす席予約はwebサイトでは予約できないので、メールで予約をしました。
24時間前までにsalablue officeに行き、その後予約表を持って有人カウンターで支払いをします。
ただ、この有人カウンター激混みで、2時間待ちザラという感じです。朝早くあるいは夜遅く(22時まで)がいいのでは・・・?当日は30分前までにofficeに行きます。
ナポリ中央駅到着後、一般的には地下のチルクムヴェスビアーナ鉄道Napoli Garibaldi駅で乗り換えるのですが、この駅は車椅子不可です。改札後長い長い階段があるようで・・・
同じナポリ市内のチルクムヴェスビアーナ鉄道のNAPOLI Porta Nolana駅に移動します。国鉄ナポリ中央駅から徒歩15分弱くらい。そこで、スタッフがエレベーターで案内してくれます。ホームと電車はほぼ段差なし。電車の座席部分は狭くて入れないので車両連結部分にいました。(広いです。)
Pompei Scavi Villa Misteri駅での下車も特に問題ありません。

ただ、帰りが問題です。Pompei Scavi Villa Misteri駅はナポリ方面へは長い地下の階段で反対ホームに渡らなければいけません。
駅員によると、一度ソレント方面の電車に乗り、POZZANO駅(スミマセン駅名不確かです)で下車後NAPORI方面に乗り換えれば、階段等なく乗れるとのことでした。
ただ、私達は時間がありませんでしたので強行突破で本人を背負って渡りました。
時間に余裕をもって、一度ソレント方面に行った後、車椅子対応可の駅で逆のナポリ方面に乗り換えれば車椅子でも問題ないと思います。
帰りの国鉄は既にテルミニ駅で予約済みのアシストをナポリ中央駅でしてもらいました。ナポリ中央駅にもSala blueがありますので発車時刻30分前にofficeに行きます。

○ポンペイ遺跡○
車椅子での見学可能です。Pompei Scavi Villa Misteri駅前の入場口、マリーナ門から入るとすぐに石畳の坂道があります。思ったよりも長いです。最後の方は石も大きくなり車椅子での移動はかなり厳しいです。できれば、マリーナ門からは入らずに円形闘技場前の入口ノチェラ門から入ると便利です。マリーナ門からノチェラ門まで徒歩20分程度です。ただ、ノチェラ門は閉鎖という情報もよくありますので、一度マリーナ門でスタッフに確認した方がいいです。
円形闘技場近辺はスロープの設置や、路上も大きな石畳は少なく動きやすいです。
以下車椅子移動可能なルートです。宜しければ参考にしてください。
www.sorrento-italy.net/foto/popup.php?im…
上記ルート内は比較的車椅子でも動きやすく整備してありますが、他有名ポイントに行きたい場合には、石畳が多く道も当然ながらガタガタです。20センチ程度の段差もウジャウジャあります。前輪が大きいタイヤをオススメします。

思いつくことをツラツラと書き連ねましたが、行く前にも沢山の情報をこちらで頂きました。「こまち」で検索して頂くと、皆様から頂いた車椅子対応トイレ、公共バス、タクシー等他にも詳細で有益な情報やサイトが沢山表示されます。
また、英語のサイトでしたら、色々情報があります。
調べたい用語プラスwheelchair、disabled、disabilityなどと入力すれば、より幅広く情報を集められるかと思います。
宜しければ参考にしてください。

回答いただいた多くの皆様、特にScibatini様には大変お世話になりました。おかげ様で車椅子ではありましたが、大変満喫することができました。改めてお礼申し上げます。ありがとうございました!

最後に、当方文章を書くのが苦手な上、非常に長い文になってしまいました事、不快に思われる方多数いらっしゃるかと思います。お詫びいたします。

2 Responses to “お礼及び車椅子旅行でのご報告!”

  • Scibatini より:

    こまちさん、お帰りなさいまし。 

    ベビーカーに関する過去トピはありましたが車椅子に関するものは初めて。 これ、ものすごく貴重なナレッジ・ベースになると思います。 やはり経験者情報に勝るものはありませんね。 

    貴重なレポートに感謝いたします。 ありがとうございます、そして、お疲れ様でした。

  • narikky より:

    こまちさん、お帰りなさい。
    私も21日に帰国しました。
    細かい情報すごいですね!
    私はそこまでお伝えできませんが、
    エレベーター情報が書かれていたので私も便乗させて頂きます。
    今回、ローマからフィレンツェへ行く途中チンクエテッレへも寄ったのですが、
    ラ・スペツィア駅のエレベーターが確か3台ほどありましたが、
    3台とも見事に故障してまして、かなり大変な思いをしました。
    日本のように直ぐに故障対応する気配もなく、自力で頑張ることとなりました。(汗)

この質問への回答は締め切りました